【LiveCommand導入事例】ヒマナイヌ 川井拓也様

LiveCommand発売当初よりご使用いただき、数多くの配信を手がけている川井拓也様にLiveCommandの使用感と普段の配信についてお伺いしました。

川井拓也様 株式会社 ヒマナイヌ代表

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CM制作会社のプロダクションマネージャー、プロデューサーを経て、株式会社ヒマナイヌを設立。ネット中継のライブメディアコーディネーターとしてUstream初期より数多くの配信を手がける。

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導入モデル:LiveCommand 1M/E

JUNS 川井さんはたくさんの現場を経験されていると思いますが、Livecommandはどういう現場に向いていると思われますか。

ヒマナイヌ川井さん ATEM シリーズのスイッチャーは安価で本体の設置が自由であるのが特長です。 制御用のコンパネをパソコンやテンキーで自由にスイッチングできるのもいいのですがセッティングに時間がかかるのが難点です。LiveCommandはつなげばすぐにATEMをコントロール出来るので現場での店開きが早くなるのがいいですね。
小規模なライブ配信では会場入りから本番まで2時間取れないような状況も多く店開きをいかに早くするかは僕のテーマなんです。
現在はATEM 1M/E本体を主要な配線をした状態で工具バックに入れ運搬し現場についたらすぐに足元に置いて机の上のLiveCommandやモニター、レコーダー、配信機器と接続します。今はだいたい会場入りから30分以内でスイッチャー周りはセットアップが完了出来るようになりました。
スイッチングに関してはATEMのコンパネをパソコンのキーボードの上部にある数字キーで操作するとどうしても押し間違いの不安があります。外付けテンキーも試しましたが数字の並びがマルチビューモニターの順番と合わず直感的とは言いがたいものがあります。
LiveCommandは(特に1M/E モデルは)キーの並びがマルチビューと同じなので直感的にスイッチング出来ます。プレビューしてエンターで切り替えていくスイッチングはもとより音楽ライブのようなテンポが早いダイレクトスイッチングが求められる現場に向いていると思います。僕はVJ出身なので対談や音楽ものはプレビューを使わないダイレクトスイッチングでやります。 例えば対談ものなどで相手がしゃべりだす前に回りこんでスイッチング出来ると「おし!」と思いますね(笑)

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ライブ配信によく使う画面構成はほとんどLiveCommandのボタンだけで出来る

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クルマを使わずにひとりで搬入できるサイズに機材を絞り込み圧縮された6カメの配信セット

JUNS LiveCommandのここが便利というところや気に入っているところがあれば教えてください。

 ヒマナイヌ川井さん 3つのKEYボタンや2つのDSKボタンで異なる位置に登録したピクチャー・イン・ ピクチャーにすぐスイッチしたりショルダータイトルのオンオフや蓋絵の静止画にスイッチできるのがいいですね。
インターネットのライブ配信のタイトルワークはテレビ番組ほど複雑なものは少ないのでほとんどこのボタンで済んでいます。
1M/Eを使っていますが8入力全部が埋まることはまれなので使っている 入力ボタンをキャンセルできる機能※もミススイッチングを根絶できてうれしいですね。この機能がつく前はATEMの設定でボタンアサインを変えたりキーボード自体にパーマセルを貼るなどで対応していましたが次の現場で起動したらその設定が生きていたりして慌てたりすることもあったのでLiveCommandのボタン操作だけで設定できるのが気に入ってます。(※この機能は川井さんのアイデアをファームアップで実装しました。 アップデートはこちら!

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ファームがアップされる前はパーマセルで使わないボタンを押せないようにしていた

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ATEM 1M/Eをスイッチング機にATEM TVSをタイトラーとしてコンビ で使う現場も多い

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LiveCommandを使うと設置スペースを最小に出来る。キャンピングワゴンを使った配信セットは台車の上ですべてのシステム が完結しており屋外などでも機動性を発揮する。

JUNS LiveCommandに希望する改善点や、追加機能があればあれば教えてください。

ヒマナイヌ川井さん マスター音声のフェード及びミュートボタンがあるといいですね。音声を触ろうとするとどうしてもパソコンのコンパネに戻る必要がありますから LiveCommandで操作できれば「しばらくお待ち下さい」などの蓋絵と共に無音状態を作れて便利だと思います。
すでに今ある物理ボタンでユーザーによっては 使わないボタンもあると思うのでそこに割り振れるようなファームアップがあってもいいかもしれません。
あとフェーダーの距離が僕にとっては少し長いんです。あと10mm短くしたいみたいな。ローランドのV-8/V-4のように物理的にフェーダーの長さをカスタマイズできる機能があるとうれしいです。あとふとしたことでフェーダーが数ミリ動いていてうっすら絵がダブって焦るという経験がありそれ以来フェーダーを使わない時はパーマセルでガチガチに止めておきます。フェーダーの物理ロックボタンもしくはフェーダーの溝にはめるような逆T字の物理ロックがあるといいですね。現場ハックの部類ですけどはじめから製品についていたらユーザーがニヤリとするかもしれません(笑)

JUNS ATEM スイッチャーに4Kのラインアップが増えましたが、ライブ配信の世界では 4K動画の扱いはどういうふうになっていくと思いますか。川井さん自身がライブ配信の現場で4K解像度を扱うことがありますか。

ヒマナイヌ川井さん 2014年11月段階では僕に4Kの現場要請はまだありません。
ライブ配信自体がまだ2Kしかも1080pというより 720pで十分という状況ですし、PCではなくスマホやタブレットで見ることを前提にシフトしつつあることもふまえると4Kの高解像度化はまだ先だと思います。 しかしマルチカメラによるライブ配信・収録という観点から見ると4台の2Kカメラでスイッチングしていることを1台の4Kカメラから切り出しで擬似的に4カメに見せるというのはありだと思っています。特に絵にパースがなく平板なセミナーやシンポジウムなどは十分使えるのではないでしょうか?

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LiveCommandを使えば大学の教室や喫茶店などこれ までの機材の規模では設置不可能な狭いスペースでもマルチカメラ配信と収録が出来る

JUNS LiveCommandを飛び越えますが、今後JUNSに期待するモノやコトがありましたら教えてください。

ヒマナイヌ川井さん LiveCommandやLiveJetのようなユニークなライブ配信機器はJUNSさんらしいと思います。細かいユーザーニーズをすくい取ってくれてアップデートしてくれるのもうれしいです。
個人的に興味があるのはス イッチャー担当者と各カメラマンをつなぐインカム的なコミュニ ケーション機能です。小規模なライブ配信の現場では集音マイクに現場が近すぎてスイッチャー側から声で指示することも難しいような状況も多いのでfacebookメッセンジャーやLINEのグループチャットでカメラマンに指示を出すこともあります。
でも実際は指示といっても「寄って」「引いて」「絞り開けて」「絞って」「顔アップで」「2ショットで」みたいな定形なんですね。だからスマホやタブレットを使ってそういう言葉を設定しておいて押せばカメラマンに伝わるようなアプリがあったらいいなと思います。返しモニターの横にタブレットをプロンプターのように置いておくイメージです。

JUNS 川井さん、丁寧な回答ありがとうございました!今後も開発の参考にさせていただきます!